難病の医療費助成、患者の半数が法改正知らず―制度周知に課題 (Medical Note 2024/04/18)

難病の医療費助成、患者の半数が法改正知らず―制度周知に課題 (Medical Note 2024/04/18)

【google geminiによる記事要約】
2022年12月に成立した難病法改正と難病医療費助成制度の変更について、約半数の患者と医師が認知していないことが、日本ベーリンガーインゲルハイムが実施した調査で明らかになりました。

調査概要

調査対象:
患者:
指定難病患者(13疾患)のうち、現在医療機関で治療を受けている20~79歳の方(有効回答数:500人)
医師:
難病指定医・協力難病指定医で、最近1年間に間質性肺疾患(間質性肺炎、肺線維症を含む)を伴う指定難病患者を診療している方(有効回答数:200人)
調査方法:
インターネット調査
調査時期:
2023年10月

主な結果

○改正難病法の認知度

患者:
  • 内容を把握している:43.9%
  • 内容までは把握していないが聞いたり見たりしたことがある:29.0%
  • 今まで見たり聞いたりしたことがなかった:56.0%
医師:
  • 内容を把握している:29.5%
  • 内容までは把握していないが聞いたり見たりしたことがある:46.5%
  • 今まで見たり聞いたりしたことがなかった:24.0%

○医療費助成制度の変更内容の認知度

患者:
  • 内容を把握している:14.9%
  • 内容までは把握していないが聞いたり見たりしたことがある:36.3%
  • 今まで見たり聞いたりしたことがなかった:55.6%
医師:
  • 内容を把握している:16.5%
  • 内容までは把握していないが聞いたり見たりしたことがある:40.5%
  • 今まで見たり聞いたりしたことがなかった:32.5%

○制度利用者の情報源

  • 主治医:70.5%
  • インターネット:16.3%
  • 難病団体:12.2%
  • その他:1.0%

○医療費助成制度の利用課題**

  • 制度変更に関する情報が入りにくい:53.9%
  • 制度が分かりにくい:48.6%
  • 相談先が分からない:38.2%
  • 必要なサポートが分からない:35.8%

○医師が考える医療費助成制度の改善点**

  • 助成対象の条件(重症度分類)の整備:48.0%
  • 軽症者や医療費が高額でない患者への助成:38.0%
  • 居住地(都道府県)による認定率のばらつきの解消:35.0%
  • 患者の申請書類の種類・数の削減:31.0%

調査結果を受けて
 調査を監修した千葉弘文教授は、「難病法や難病医療費助成制度に関する情報の浸透度や制度利用の課題に関する調査は、これまであまり実施されていなかった。今回調査で、患者側にも医師側にも、十分制度内容や制度変更についての情報が届いておらず、制度の周知に課題があることが分かった。」とコメントしています。
 今回の調査結果を受け、難病法改正と難病医療費助成制度の内容を分かりやすく、患者や医師に周知することが重要です。
 また、制度利用における課題を踏まえ、必要な情報提供やサポート体制の充実、制度の見直しなどが求められます。

○参考情報: 調査結果の詳細