難病の肺高血圧症、免疫細胞が関与 国循センター解明 (日本経済新聞 2024/05/21)
難病の肺高血圧症、免疫細胞が関与 国循センター解明 (日本経済新聞 2024/05/21)
【Chat GPTによる記事要約】
- 中岡良和部長率いる研究チームが肺高血圧症の発症メカニズムを解明
- 特定の免疫細胞が炎症物質を出し、肺の血管壁が厚くなり血流が悪化
- 発見により新たな治療法の開発が期待される
肺高血圧症の現状
- 厚生労働省が指定する難病で、国内の患者数は約4000人
- 肺動脈の血管が狭まり、進行すると心不全で死亡することも
- 現在の治療法は血管拡張薬だが、約3割の患者に効果がない
研究の詳細
- 肺高血圧症を発症するマウスを用いて研究を実施
- ヘルパーT細胞をインターロイキン6(IL-6)が刺激し、炎症物質を放出
- 炎症物質が血管壁を厚くすることを確認
実験結果
- 重症の肺高血圧症を再現したラットでIL-6を働かなくすると、血管が薄くなり血流が改善
- 既存の血管拡張薬と併用すると症状がさらに和らぐ
今後の展望
- IL-6を含む複数の炎症性物質が肺高血圧症の重症化に関与
- 中岡部長は「複数の炎症物質を同時に止める治療法が有望」と考える
- 研究成果は学術誌「米国科学アカデミー紀要」に掲載