RDD(Rare Disease Day) 2019 in 高知は盛会にて終了いたしました!

 高知県では第6回目となる今年のRDDは、こうち難病相談支援センターと連携して、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と小児膠原病の2つの医療講演会を柱に、高知市文化プラザかるぽーとにて2019年2月24日(日)にイベントを開催しました。専門医の先生を囲んでの医療学習や交流に加え、今年はRDDに賛同くださった2つの団体、フラダンスグループ「マカナ オカ アイナ」さんと、アロマハンドマッサージ「ふわり」さんがボランティアで参加くださり、イベントに彩りと癒しを添えてくださいました。

午前の部:ALSってどんな病気?

 まず午前中は、南国病院の中澤宏之先生をお招きし、「ALS治療と在宅医療について」と題して、病気の診断から治療薬、ロボットリハビリテーション、在宅ケアまで幅広く疾病や患者さんを取り巻く最新の状況についてお話いただきました。特にロボットスーツHALの動作原理や歩行訓練の紹介は、支援者も含め多くの人が興味深く聞き入っていました。​
 その後の交流会では、ストレッチャーや車椅子でご来場くださった患者さんやご家族を中心に輪を作り、日本ALS協会高知県支部の事務局長の司会で、互いが最近の病状やや生活について語り合ったり、中澤先生に様々な質問を行ったりしました。輪の後方では、他の疾患の患者さんやご家族も混ざって話を聞かせてもらい、ALSへの理解を深めることができました。

​フラダンスと歌で、心を開放

​ お昼の時間帯には、フラダンスグループ「マカナ・オカ・アイナ(Makana o ka #8216;aina)」から、先生とメンバーの方々総勢9名がおいでくださりました。皆さん、ハワイの自然をイメージさせる華やかな衣装で、優しい音楽とともに指先まで気持ちのこもったダンスをご披露くださいました。​
 また後半には、来場者も参加して「花は咲く」(東日本大震災の復活支援歌)を歌い、その歌詞にあわせた振り付けを教わって、一緒にフラダンスに挑戦しました。40分間という短い時間でしたが、ダンスと歌を通じてみんなの気持ちが重なり合い、最後はマカナ・オカ・アイナの皆さんと参加者がハグして涙するという、素敵な交流の時間となりました。

午後の部:子どもにもリウマチがあるの?

 休憩をはさんで、午後は、鹿児島大学の武井修治先生をお招きし、「小児膠原病、特発性若年性関節炎の診断と治療」と題して、特に若年性突発性関節炎や全身性エリテマトーデスを中心に、小児膠原病の最新の治療や薬、医療の今後についてお話いただきました。中でも、近々、保険適用される見通しだという新薬の情報には、参加者もメモを取るなど熱心に耳を傾けていました。​
 交流会では、全国膠原病友の会高知県支部の支部長がファシリテーターとなって、武井先生を囲んで様々な話題について質問や意見を交わしました。今回参加された方々は子どもさんの年齢も未就学児から成人まで幅広く、小児疾患には治療だけでなく、ライフステージの移行とともに就学・思春期・就労・結婚・妊娠といった多様な課題があることをあらためて実感しました。

アロママッサージで癒されて​

 多彩なプログラムが催される中、会場内では常時、アロママッサージの「ふわり」さんによる無料ハンドマッサージも行われており、多くの参加者が施術を楽しみました。今年は男性の希望者が多かったのが印象的で、ふだんはあまり触れることのないアロマの香りに包まれて、心も身体も癒されている様子が伺えました。​
 また、高知県や高知市の小児慢性特定疾病児童等自立支援員による出張相談も行われており、困った時の一番の相談先として大変心強く感じました。

いろいろな疾患の患者・家族や支援者がつながった今年のRDD​

 ALS、膠原病、パーキンソン病、レックリングハウゼン病、網膜色素変性症、リウマチ、血管腫・血管奇形、クローン病、オストミー協会など、例年以上に多くの疾患の患者・家族・支援者が交流することができた「RDD2019 in Kochi」。自身の疾患だけでなく、多様な難病や希少疾患があることを知り、病気が違っても悩みや想いを共有することができました。また逆に、自分が想像していなかった問題や困りごと、障壁が存在することも知り、手を取り合って社会への投げかけや啓発活動を継続していくことの必要性を再確認できました。​

 最後になりましたが、今回ご協力いただいた南国病院の中澤宏之先生、鹿児島大学の武井修治先生をはじめ、マカナ・オカ・アイナの皆さん、ふわりの皆さん、そして患者さんやきょうだい児・ご家族、医療・福祉関係者、高校生ボランティアの方々、RDD日本開催事務局の皆さん、お世話になったすべての方に心から感謝を申し上げます。​