順天堂大、難病「潰瘍性大腸炎」の新治療法…健康な腸内細菌を移植 (読売新聞オンライン 2023/01/27)
順天堂大、難病「潰瘍性大腸炎」の新治療法…健康な腸内細菌を移植
【記事概要】
- 潰瘍性大腸炎の患者に、健康な人の腸内細菌を移植して症状を改善させる新たな治療を順天堂大は始めた。
- 国が今月初め、保険診療と併用できる「先進医療」として承認し、長期の投薬が必要な既存の治療法に代わる可能性がある。
- 大腸の中に生息する多様な細菌群「腸内細菌叢(そう)」が免疫の制御に関わっており、そのバランスの乱れが潰瘍性大腸炎の原因の一つとされる。
- 腸内細菌叢移植では、まず患者の大腸の腸内細菌を抗菌薬で除去し、腸内環境をリセットしてから、健康な人の便から取り出した腸内細菌を含む液体を大腸に移植し、バランスの乱れを改善し、炎症の抑制をはかる。
- 患者97人を対象にした事前の臨床研究では、約2か月後に7割弱で症状が改善した。
- 通常の治療では、副作用も伴う投薬が生涯必要な場合もあるが、新たな治療法は、こうした薬なしに症状が改善する可能性がある。
- 潰瘍性大腸炎
- 大腸の粘膜が傷つき、ただれる病気で、腹痛や慢性的な下痢などの症状が出る。
国指定の難病で、国内に約20万人の患者がいるとされる。