「パーキンソン病」の新たな発症メカニズムを発見 富山大学ら研究グループ発表 (Medical DOC 2023/05/09)
「パーキンソン病」の新たな発症メカニズムを発見 富山大学ら研究グループ発表 (Medical DOC 2023/05/09)
【記事概要】
- 富山大学らの研究グループは、パーキンソン病の発症メカニズムを発見したと発表した。
- 遺伝子の「PARK9」が作成するタンパク質が、細胞内小器官のリソソームに存在し、水素イオンとカリウムイオンを輸送することを発見した。
- パーキンソン病患者に数多く報告されている変異により、これらのイオンを輸送する機能が著しく低下することがわかった。
- PARK9の輸送機能が阻害されると、リソソームの分解能力が低下して、正常では神経機能の調節に関わる「α-シヌクレイン」の異常な蓄積が引き起こされた。
- 研究グループは「本成果はパーキンソン病の発症メカニズムや治療方法の解明に向け、新たな道を切り開くものと期待できる」とコメントしている。
- 従来は、随伴する症状を緩和する、あるいは病状の悪化を遅らせる治療法はあったものの根本的な治療法は開発されていない。
- グループが今回提唱したパーキンソン病の発症メカニズムに着目することで、根治的な治療につながる新薬の開発などを含めた医療貢献もできる可能性があると期待する。
- パーキンソン病
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厚生労働省の指定難病で、神経難病の中で最も患者数が多い疾患。(人口10万人あたり100~120人の患者がいると言われている。)
発症年齢は50~60歳代で、日本では男性よりも女性の方が多いとされている。
大半は非遺伝性で、遺伝性は5~10%。
4大症状は、振戦(体が震える)、固縮(筋肉の緊張が強くなって手足の動きがぎごちなくなる)、寡動・無動(動作が遅くなる)、姿勢反射障害(転びやすくなる)が挙げられる。
そのほか、嗅覚低下、便秘、頻尿や排尿困難、立ちくらみ、起立性低血圧、睡眠障害、記憶障害、うつ、幻覚・妄想などがある。