難病ALSの進行、免疫細胞が抑制か 九州大、予防や治療法開発に期待 (西日本新聞 2021/09/22)

難病ALSの進行、免疫細胞が抑制か 九州大、予防や治療法開発に期待(西日本新聞 2021/09/22)

【記事概要】

  • ALSの進行を免疫細胞の一種である「マクロファージ」の働きを活性化することで遅らせる可能性があることを、九州大大学院医学研究院の山崎亮准教授らの研究グループがマウスを使った実験で突き止めた。
  • ALSを発症させたマウスの末梢神経にマクロファージが大量に染み出していることに着目し、これが症状の進行に関与していると仮説を立てた。
  • 遺伝子を改変しマクロファージが染み出してこないALSマウスを作ると、症状が進み、短命になったため、マクロファージが進行を抑える働きをしていることが判明。
  • 末梢神経にある異常なタンパク質をマクロファージが除去し、炎症を抑えていることが分かった。
  • 今後、発症を予防したり、症状の進行を遅らせたりする治療法の開発につながることが期待される。
  • 九州大病院の山崎准教授は「患者さんの希望となるように、治療法の開発につなげたい」と話した。
筋萎縮性側索硬化症(ALS)
全身の筋肉が徐々に動かなくなる神経難病で、国内の患者数は約1万人。詳しい原因は解明されておらず、根本的な治療法は確立されていない。